アートメイク失敗

国民生活センターによると、アートメイク関連の被害報告は2006~2011年までの5年間で、121件にのぼり、そのうちの95%はエステサロンなどで医師免許を有しない者から施術を受けていたとみられています。


アートメイクは医療行為であり「医療機関で医師、または医師の指示の下、看護師が施術を行なうこと」と、法律で決められています。アートメイクが医療行為と定められているのは、皮膚に針を刺すという行為を伴うからです。


では、アートメイクにはどのような失敗があるのでしょうか。眉毛、アイライン、リップそれぞれの例を紹介します。

部位別のアートメイク失敗例

アートメイクに魅力を感じて、眉毛、アイライン、リップなどの施術を受ける方は毎年増え続けていますが、その一方で、失敗したという方も増えているようです。


そこで、各部位ごとにどのような失敗があるのかを確認しましょう。

眉毛

 眉毛の色が紫に変色


 太く真っ黒な眉毛


 まだらになってしまった


施術当日から違和感があったものの、数日経てば肌に馴染んで落ち着きますと言われ、しばらく様子を見ると少しずつ紫色に近い赤色に変色してしまった。


施術後の眉毛が想像以上に太く、数日経てば薄くなると言われたのに真っ黒のまま変化がない。


施術後は綺麗だったが、数週間ほどでまだらに色が抜けてしまった。

アイライン

 すぐに薄くなった


 アイラインの歪み・滲み


 まぶたに肉芽腫ができた


最初はキレイなアイラインに仕上がっていたのに、だんだんと色が変わり薄いグレーに変色した。


すぐに馴染みますと言われたが、どうみてもアイラインがゆがんでおり、ラインがだんだんとぼやけてきた。


まぶたに赤いできものができ、病院で診察を受けた結果、肉芽腫だと言われた。

リップ

 リップラインの歪み


 唇だけが浮いてみえる


 ヘルペスになった


リップラインが片側だけはみ出し、左右が均等でない仕上がりになった。


薄くなると言われたがリップ全体がいつまでたっても濃い赤色のままで、メイクをしないと唇だけが浮いて見える。


施術後に唇に水ぶくれができ、皮膚科を受診するとヘルペスだと診断された。


アートメイクは一度色を入れると修正することができないので、後戻りできません。失敗しないためには、医師の指導のもと技術力の高い専門職が施術するクリニックでアートメイクを受けることが大切です。

アートメイクの健康被害

アートメイクには施術後の健康被害もいくつか報告されています。


健康被害1:施術箇所が化膿した

アートメイクは医療機関でなければ施術してはいけないと知りつつ、費用を抑えたかったので医療機関以外でのアートメイクを選んだ。3回の施術のうち、1回目は問題なかったが、2回目で施術箇所が化膿したうえに顔まで腫れてしまった。


皮膚科を受診したところ、使用している針や色素に問題があるかもしれないとのこと。

健康被害2:角膜が傷ついた

エステサロンでアイラインへの施術をしていたが、痛みを感じた。痛みを訴えたものの、施術を中止することはなかった。施術修了後、視界が曇っていたうえに痛みと涙が止まらなくなったので眼科へ行ったところ、角膜が傷ついていると言われた。

健康被害3:強い腫れと痛みが出た

友人の自宅で友人の娘に眉毛のアートメイクをしてもらった。施術が終わったあと、眉が腫れて痛みもあったため皮膚科へ行った。消毒が足りなかったせいだろうということと、医療従事者でない者がアートメイクの施術をしてはいけないということを教えられた。

健康被害4:眉のラインがずれている

友人に値段が安かったとすすめられたアートメイクのサロンで眉の施術をしてもらった。しかし施術後に痛みがあり、眉が腫れていた。


数日後に腫れは引いたが、仕上がりを見ると眉の左右のバランスがおかしくなっていた。施術を受けたサロンについて調べてみたら、医師免許のない違法サロンだったことを知った。

健康被害5:アイラインの施術で目に結膜炎

刺青とアートメイクを行っているお店でアイラインのアートメイクを受けた。終わった後に目に異物感があり、かすんで見えたので、クリニックを受診したところ、結膜炎を起こしているとのことだった。


アイラインの施術の場合、目の粘膜の近くまで傷をつけなくてはいけないため炎症を起こしやすいと、医師から説明を受けた。

健康被害6:ラインがおかしくかさぶたも治らない

サロンに初めて行った時、先生は「医師の資格は持っている」「痛みはほとんどないから大丈夫」と説明してくれたので信頼していた。しかし、眉とアイラインのアートメイクをしたが、施術後、時間がたってもかさぶたは治らなかった。


アイラインも色が濃すぎておかしな見栄えになっている。サロンに問い合わせても反応がなく、返金もしてもらえなかったため、病院のレーザー治療で線を消すことになった。

健康被害7:違うところに色がついてしまった

アートメイクサロンでアイラインの施術を受けた時、痛みで思わず目を閉じてしまった。 まぶたを閉じた拍子に針の位置がずれて、眼のふちから5ミリほど離れたところに色が入ってしまった。


誤ったところの色素を抜くようにお願いしたが、その際まつ毛が抜けることがあり、完全に色素が抜けるかは保証できないと言われてしまった。

健康被害8:色素が落ちたら傷跡が残った

ネットの広告で見つけたエステサロンで眉のアートメイクをしてもらった。施術後は、ほとんど痛みを感じることなく満足していた。


しかし、色素が抜けた時に施術した部分が少し白っぽくなって、へこんで見えると母親に言われて気付いた。エステ感覚でアートメイクをやっていたが、感染症にもなる恐れがあると知って、もっと慎重に選ぼうと思った。

健康被害9:アイラインが二股に分かれた

アートメイクは医療行為と知りつつも、安いのが魅力的で医師免許を持たない美容サロンで施術を受けた。上のまぶたにアイラインを1本入れてもらったが、施術後に激しい痛みを感じ、腫れが1週間ほど続いた。


目尻のところでアイラインが二股に分かれており、イメージと違う仕上がりになっていた。結局、修正するためのレーザー治療で余計にお金がかかってしまった。

アートメイクの失敗はなぜ起こる?

では、アートメイクの失敗はなぜ起こってしまうのでしょうか?

その原因は、大きく3つ。


 医療機関でないため対応が不適切


 施術者の技術不足・知識不足・経験不足


 担当医と施術者の仕上がりイメージが違っている


医療機関でないことや、施術者の技術力・知識不足・経験不足は、アートメイクによる健康危害に繋がります。


針の消毒がきちんとできていない、使用している色素が適切でない、ディスポーサブル(使い捨て)の徹底ができていないというような施設では、感染症など健康に関わる被害にあうリスクが高まります。


アートメイクの施術の失敗は、施術者との仕上がりのイメージにずれが生じてしまっていることも原因のひとつです。施術者が「この人にピッタリの仕上がりはこうだ」と思っていても、それが必ずしも瀬術を受ける人にとって満足できる仕上がりとは限りません。

アートメイクを失敗しないためには?

アートメイクは一度失敗するともとに戻すことが困難です。せっかくアートメイクの施術を受けるなら、キレイに仕上げたいですよね。


「ここなら安心して施術を任せられる」と思えるクリニックの選ぶ方法は、主に3つあります。クリニック選びの参考にしてください。

医師が在籍しており、看護師が施術するクリニックを選ぶ

そもそもアートメイクは、医療機関のみで行われる施術方法なので、医師もしくは看護師が必ず在籍している必要があります。看護師が施術を担当する場合でも、医師の診察がない場合は違法なので注意してください。

施術の経験が豊富なクリニックを選ぶ

アートメイクを成功させるためには、施術者の技術力が高いことが重要です。症例数と施術例の写真を参考にして、技術力が高いかどうかを測りましょう。なるべく施術例が多く、たくさんの写真を提示してくれるクリニックを選んでください。

施術者と仕上がりイメージをすり合わせる

たとえ施術者が上手くできたと思っても、施術を受ける人の完成イメージとずれていた場合、それは成功といえません。アートメイクは簡単に落とすことはできないので、カウンセリング時に自分が理想とする仕上がりを施術者にしっかり伝えることが大切です。


【自分でできる理想の仕上がりを伝える方法】

  • カウンセリング時に理想の仕上がりをメイクで見せる

  • 理想の仕上がりに近い写真、画像、芸能人の写真などを見せる


このように、自分から積極的に完成イメージを施術者に見せることで、双方の仕上がりイメージのずれをなくすことができます。


どのような仕上がりになるのかを互いに把握し、完成イメージをしっかりとすり合わせましょう。

失敗したアートメイクは修正できる?

下まぶたの施術


もし万が一、アートメイクに失敗してしまったら一体どう対処すればいいのでしょうか?


アートメイクの修正と除去についてお話していきたいと思います。

アートメイクの修正方法

失敗してしまったアートメイクを修正することは可能です。


ただし、状況によっては修正が難しいときもあるので注意が必要です。それでは、状況別の修正方法をみていきましょう。

1回目の施術の時点で希望する仕上がりになっていない

アートメイクは2~3回に分けて色素を入れていくことがほとんどです。


通常であれば、1回目の施術からしばらく経つとだいぶ色素が落ちてきます。ですから、2回目・3回目の施術で微調整をしていくことができます。1回目の施術後に「ちょっと違うな」と思ったら、遠慮せず施術者にはっきり伝えましょう。


ただし、大きなデザイン変更や色を薄くするということは、微調整では難しいです。


1回目の施術なのにかなり濃く仕上がっている

1回目の施術からしばらく経っても不自然に濃いままだという場合、2回目の施術は避けましょう。


施術を受けたところへ連絡し、「色が濃すぎておかしい」と伝えてください。濃く入ってしまった色素をすぐに薄くするためには、基本的に医療用レーザーを照射するしかありません。


数年単位で時間が掛かりますが、コンシーラーでごまかしながら、肌の代謝で色素が薄くなるのを待つという方法もあります。


希望する仕上がりになっていないことを言い出せずに完成してしまった

色が薄ければ、アートメイクを施術し直すことで修正できることがあります。


色が濃くはっきりしている場合には、医療用レーザーをすすめられる可能性が高いです。また、アイラインが滲んだような仕上がりになってしまった場合も同様な対応となるでしょう。


なお、肌色の色素を入れて修正するという方法もありますが、これはおすすめしません。肌色が馴染まずにかえって目立つ可能性があるうえに、色素が薄いためにレーザーによる除去ができなくなります。


違法サロンと知らずに受けたアートメイクを修復したい

ほかで施術したアートメイクの修正を受け付けている、クリニック(医療機関)へ相談しましょう。


状況を見て可能であれば修復してもらえます。「修復しない方がいい・できない」という判断で、修復を断られることもあります。


違法サロンではどのような色素を使用しているかわからないことが多いため、簡単には手を加えられないのです。

アートメイクの除去方法

アートメイクを完全に除去する方法は、医療用レーザーか外科手術です。


現在は医療用レーザーによる除去が主流ですが、色が濃いものに反応するという性質上、色素が薄いと完全には除去できないこともあります。それでも完全に除去したいということであれば、外科手術で施術箇所を切除するしかありません。


アートメイク修正・除去のための医療用レーザーや外科手術は、病気を治療する目的ではないため、健康保険は適用外です。高額な費用がかかりますし、肌への負担も掛かります。眉毛やまつ毛に影響が出ることもあります。


だからこそ、施術前に施術者としっかり話し合って、色やデザインの確認を入念に行なうことが大切です


また、以下のような対策をするのもいいでしょう。


 下書きをしてもらってその通りに施術してもらう

 眉毛やアイラインは片方が仕上がったら一度確認させてもらう


施術に問題のない医療機関であれば、何も言わなくても行なってくれます。

もし行なっていないようであれば、施術者にお願いしてみましょう。


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アートメイクに失敗したくないならクリニック選びは慎重に!

まつげの施術


アートメイクは気軽に修正・除去できるものではありません。だからこそ、クリニック・施術者選びは慎重に行なってください。


そして何より、いくら費用が安くても違法サロンは避けるようにしましょう。満足できない仕上がりになるリスクだけでなく、危害を受けるリスクがあります。


もし、「失敗してしまった」「危害を受けてしまった」ということになれば、さらに費用と時間がかかることになってしまいます。大切な顔への施術ですから、料金よりも安全・安心を優先させるようにしましょう。


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